バラ占い@


「あー、疲れたー!」

今日も1日学校生活を終えたあたしは1人帰路を歩いていた。
乱馬は数学の時間居眠りしてたからって放課後の補修で一緒には帰ってないの。
いつもフェンスの上を見上げたら乱馬がいるけど、
いないとなんか変な感じがする。
いればいるでうるさいんだけど。

「乱馬かぁ・・・・」

あたしの口から彼の名前がため息に混ざってもれた.
乱馬とまだ正式な結婚はしてない。
でもあの祝言が邪魔された日に乱馬は好きだって言ってくれてキスもしてくれた。
ハッキリ言うと無理矢理だったんだけどね。
まあそんなこんなででもキスしてくれた時は・・・・・
そりゃ幸せだって思ったわ。でも・・・・
次の日からはまたいつも通り。
抱きしめてくれもしないし。

日に日に増してくのは・・・・不安。
乱馬があたしの事好きじゃないのかもしれないって事。
もしかしたら――他の人が好きなのかもしれないって事。

あたしと乱馬は恋人であって許婚でもある。
ユカとサユリに言われた事だけど、
恋人であって許婚でもあって、お互いに好き逢ってるんだったら・・・・
その・・・別に性行為の1つや2つしててもいいんじゃない?って・・・
あ、でもそれは人それぞれ・・・とも言ってたけど。


「はぁ〜・・・」
「そこのお嬢さん」

あたしがガックリと顔をうつむけたとほぼ同時に声が聞こえた。
うつむけた顔を上げると、あたしの目の前に中国人みたいな男の人が立っていた。
それにしても・・・すごい大荷物ね。行商人の方かしら?

あたしから見るとその人は好印象で、優しそうな人だった。
その人はあたしにニッコリと微笑んでからその大荷物をおろすと、
カバンの中をゴソゴソといじり始めた。
「お嬢さん、ズバリ恋にお悩みかな?そんな顔してるのは恋に悩んでるひとくらいね。」
「えっ・・・」

まさに図星だったあたしは顔が引きつった。

「あなたみたいな人にピッタリの商品あるね。
えーと・・・あ、あったね!」

その人は何かの種・・・かしら?
それと説明書みたいなものをあたしの手の平においた。

「あの・・・これ・・・?」
「それ使ってあなたの愛人の気持ち確かめるよろしぞ。」
「え!?あの、それのしても・・・」

その人は大荷物をよっこらせと言わんばかりに背負うと、またニッコリ微笑んでこう言った。

「それ、お嬢さんにプレゼントね。早く愛人の気持ち確かめるよろしぞ」
「ちょ・・・」

・・・なんだったのかしら?
愛人の気持ちを確かめるとか言ってたわよね・・・でも、こんな種みたいなので?
それに愛人って、恋人とかよね?恋人って言ったら・・・




これで・・・乱馬の気持ちを・・・確かめる・・・?

あたしは手の平に乗っている種と説明書を大切にカバンの中にしまうと
家に向かって走った。

「これで・・・乱馬に気持ちが確かめられる・・・!?」




・・・そう呟きながら。

つづく (この後どうなる〜!?)
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